当初は庭のご相談を目的に来店されたお施主様。
話をお伺いすると、家のリフォームも検討しているとのことで、そこから話は広がった。
お施主様は昨年お父様を事故で亡くされ、お母様は施設での生活。
どうせリフォームするなら綺麗であたたかい住まいに暮らしたい、お母様を連れて
帰ってきたとき暖かく快適な家で寛げるように…という願いを込めて、フルリノベーションに踏み切った。

48年間、家族を見守り続けた家。「どれも思い入れのあるから残せるものは残したい」「かつての家の面影が見えるようにしたい」とお施主様からご要望。内装や部材等をお洒落に再利用する事ができ、昔の面影を残せるのがリノベーションの特長。今回は工事前の家に使われていた欄間を飾りとして使ったり、内装に使われていた化粧板を天井のアクセントとして再利用した。玄関は土間に自然石タイルを張り、日本古来の懐かしさを感じつつもヨーロピアンの雰囲気をあわせ持つ「ジャパニーズブロカント」の佇まいに。お母様の車椅子移動が楽になるよう玄関はスロープ状にし、玄関とリビングを扉無しで行き来できるつくりにしている。間取りは部屋数を減らし、３LDKにまとめた。ひとつひとつの部屋が広々となり、遠くまで見渡せるような開放感を演出。お施主様はプログラマーの仕事をしており、子供達にドローンのプログラミングを教えたいという希望もあり、リビングは高い天井の吹き抜けに。構造体の大きな梁を活かし、個性としてデザインに取り入れている。リビングの壁の大きな窓とキッチンの小窓からは、お施主様のお母様が長年慈しみ育てた植栽と一面に広がる人工芝の庭が一望できる。
さらに、大きい家のため断熱材をしっかりと入れることが重要だった。断熱工事を施し、夏は涼しく、冬は暖かい家へ。お施主様の家族への思いがたくさん詰まった、懐かしくも新しい快適な家が完成した。