健康な建築
事例をお気に入りに登録しました。
事例をお気に入りに登録しました。
| 施工金額 | 2,000万円(税込) |
|---|---|
| 物件種別 | マンション |
| リノベーション形態 | 中古を買ってリノベーション |
| リノベーション内容 | 家全体,水まわり,居室・その他,断熱改修 |
| 居住人数 | 3人 |
| 家族構成 | ファミリー |
| 築年数 | 55年 |
|---|---|
| エリア | 首都圏 |
| 面積 | 80.99㎡ |
| 施工期間 | 4ヶ月 |
| 構造 | RC造 |
間取り
Before3LDK

After2LDK

⼿掛けたリノベーション会社
株式会社NENGO
| 所在地 | 〒213-0001 神奈川県川崎市高津区溝口2-15-1 |
| 対応エリア | 東京都・神奈川県 |
| 連絡先 | 044-829-3324 |
この会社のリノベーション事例
-
ふつうの賃貸
株式会社NENGO
2025.09.05
- マンション
- 賃貸リノベーション
- 二人暮らし
- 家全体
- 水まわり
- 居室・その他
- 断熱改修
-
記憶のパッチワーク
株式会社NENGO
2025.09.12
- マンション
- 中古を買ってリノベーション
- ファミリー
- 家全体
-
小屋を被るビル
株式会社NENGO
2025.09.16
- 戸建
- 持ち家をリノベーション
- 二世帯・三世帯
- 家全体
-
廊下が主役の家
株式会社NENGO
2024.09.17
- マンション
- 中古を買ってリノベーション
- ファミリー
- 家全体
- 水まわり
- 居室・その他
-
リノベーション屋が考えた新築住宅
株式会社NENGO
2024.09.19
- 戸建
- 一人暮らし
- 家全体
- 水まわり
- 居室・その他
- 屋外
- 耐震補強
- 断熱改修
-
土間で繋ぐ、継承リノベーション「MMA」
株式会社NENGO
2024.09.19
- マンション
- 賃貸リノベーション
- 家全体
- 水まわり
- 居室・その他
-
「和室」のような、とことん床に近い暮らし
株式会社NENGO
2024.09.19
- マンション
- 中古を買ってリノベーション
- ファミリー
- 家全体
- 水まわり
- 居室・その他
- 断熱改修
-
緑映える、心整う。
株式会社NENGO
2024.09.17
- 戸建
- 持ち家をリノベーション
- ファミリー
- 家全体
- 水まわり
- 居室・その他
- 屋外
- 耐震補強
- 断熱改修
⼿掛けたリノベーション会社













高度経済成長期、都市の高密度化が加速していく中、北下り西向きの急斜面に計40戸の集合住宅として計画された。壁柱が立ち並び、跳ね出し雁行したファサードは唯一無二の造形を呈し、学会賞を受賞。西に桜並木、南に保存緑地の借景を望める恵まれた環境のため、最大限それを活かす計画とした。
原設計はLDKと3居室を有し、南北に45度振った軸線に沿って構造壁が住戸の中心を貫いていた。この壁の躯体を剥出し、床にライン照明を配することで軸線を視覚化、建築の理念を現し広がりを与える。黄味がかり寂びた躯体には下地材の木レンガが埋め込まれていた。等間隔の木片には時を刻んだ風合いがあり空間のアイコンとなる。一方、住居には浴室、トイレなどの隔離領域があり、表の強度からより裏となりかねない。深緑のタイル、陽光色の塗装など、色で空間強度に対抗した。LDKから覗く空間は、発光するような桜色を選択し、その先を連想させた。
1970年竣工の桜台コートビレジは、建築家 内井昭蔵のマスターピースである。当時、内井は理想の建築を”健康な建築”と表現した。曖昧だが、的を射た言葉だと思う。”健康”とは何か。広辞苑には”身体に悪いところがなく心身がすこやかなこと”と記されている。ここでいう体とは建物の躯体であり、心とは生命力のある空間である。竣工から55年、社会は成熟し物と情報が溢れる時代。欲しいものが手に入りSNSで世界と繋がる。求める時代から取捨選択する時代に変わった。時短と情報を欲し倍速で視聴、知りたくないネタバレをすることも。現代は利便性を突き詰め、息苦しくなったところもある。そして、感染症流行、天災、争い、予測不能で不確かな変化の時代に。健康とは何かを考えることは、何が幸福か考えることかもしれない。時代とともに豊かさも形を変えていくだろう。この建築をどう住み継いでいくか。原型から現型へアップデートする必要がある。断熱改修により暑くなりすぎた夏を乗り越え、照明、空調、浴室設備をスマホでコントロールできるスマートハウスに。間仕切り壁を撤去、長手に貫く躯体壁を剥出し、軸線を視覚化することで広がりを与えた。桜の借景に加え内外にガーデンを設え、自然との共生を目指した。何気なくテラスに出ると"綺麗な緑だね"と声を掛けられた。自然と人を結ぶことで自然を介して人と人が結びつく。”健康な建築”が垣間見えた。