オモロい公共施設は、産学官民でつくれる
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2024.09.16
施工金額 | 2,950万円(税込) |
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物件種別 | その他 |
リノベーション形態 | その他 |
リノベーション内容 | その他 |
居住人数 | 1人 |
家族構成 | その他 |
築年数 | 33年 |
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エリア | 関西 |
面積 | 999.99㎡ |
施工期間 | 11ヶ月 |
構造 | S造+RC造 |
間取り
Before学生提案書
Afterにぎわいスペース
備考
芦屋市では、第2期創生総合戦略の中で公共施設を縮小しながらも機能充実をはかる「縮充」を進める。住民利用率の低い打出教育文化センターと打出公園の機能を融合し、新しい形の教育文化施設として生まれ変わらせるべく、包括連携協定を結ぶ武庫川女子大学と連携して改修内容を立案し、実現へ向け事業者プロポーザルを行った。
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⼿掛けたリノベーション会社
登録有形文化財・旧松山家住宅松濤館(芦屋市立図書館打出分室)を有する打出教育文化センターと、村上春樹氏の小説に登場する猿の檻がある打出公園は、ともに地域のシンボル的存在。地域住民の声から、二つをつなぎ「にぎわいの拠点」とする大規模改修プロジェクトが発足した。
芦屋市は改修へ向け、従来どおり行政と一部住民による協議で進めるのではなく、“未来の利用者”との対話を通じた提案書の作成を、武庫川女子大学生活環境学科に依頼。学生たちは授業の一環でワークショップやイベントを開催して広く地域住民の声を聞き「ルール改変」「シェアキッチンで多世代交流」「公園の猿の檻を活用」などを提案した。弊社はこのバトンを受け取り、「にぎわいづくり」の総合的な業務受託で参画。建物内部の設計・工事のみならず運用ルール策定にまで関与した。産学官民のリレー方式で叶えたリノベーションは、公共施設改修の新しい可能性を感じさせる。
今年4月、芦屋市に誕生した「うちぶん」は、図書館を併設する打出教育文化センターと、隣接する打出公園を一体化し、リノベーションにより街の「にぎわいの拠点」として生まれ変わった市の公共施設。建物と公園の往来が増え、子どもからお年寄りまで多世代が訪れている。弊社は今回、大学生が市民と対話を重ね作成した提案書をベースに、建物内一部の設計と工事、運用ルール策定補助を担った。
エントランスや図書館がある1階の設計テーマは「にぎわい」。開放的なシェアキッチンとカフェスペースを新設し、飲食しながら交流できるエリアが誕生。ホール中央は、カラフルなキッズスペースを県産杉材のベンチで囲み、多世代が思い思いに過ごせるようにした。壁には一面、公園で愛されてきた猿の檻をアップサイクルした掲示板。図書館の本が全館持出し可能になり、本の移動や展示に使うブックトラックを地域の子どもたちと廃材で制作し、愛着を育むポイントも仕掛けた。一方、2階ホールは「静かに過ごす」自習スペース。モールテックス天板のテーブルやシックな照明を設置し、集中できる落ち着いた空間に。奥にある子どもの居場所に配慮し、平日の一般開放は14時からとした。
アイデアが次々と形になっていく工事を見て市職員は「公共施設でもオモロいことができるんだ」と刺激を受けたよう。公共施設再編が進む今、型にはまらない改修の前例になることを期待したい。