ひらお横丁~薬剤師の“インディーズ駅前再開発”の処方箋
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2024.09.18
施工金額 | 13,708万円(税込) |
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物件種別 | その他 |
リノベーション形態 | 持ち家をリノベーション |
リノベーション内容 | 家全体,水まわり,居室・その他,屋外 |
居住人数 | 8人 |
家族構成 | その他 |
築年数 | 49年 |
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エリア | 九州・沖縄 |
面積 | 365.11㎡ |
施工期間 | 219日 |
構造 | 鉄骨造 |
間取り
Before店舗併用住宅
After改修後平面図
⼿掛けたリノベーション会社
株式会社リノリビング
所在地 | 〒815-0035 福岡県福岡市南区向野1-3-16 R-BLDG1F |
対応エリア | 福岡県・佐賀県・熊本県 |
連絡先 | 092-554-2332 |
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⼿掛けたリノベーション会社
福岡天神から2駅の場所にある「平尾薬局」は、50年前の駅前区画整理で現在の場所へ移転。平尾駅前の一等地に建ち、店舗併用住宅として1Fを店舗・2Fを店主の住居とした。外観には3代目店主の顔を写した看板が掲げられ、福岡市民にとってはランドマークとして親しまれてきた。
一方、現在の駅周辺は、福岡の経済規模が拡大してきたことにより地価も大幅に上昇。小規模な店舗は居場所を失い、大規模店舗に駆逐されている。
今回のプロジェクトは、建物の築50年を契機に開始。当初は、現状と同じ2Fスペースを住居とするリノベーション計画での相談がスタートした。しかし、店主と打ち合わせを重ね生まれた「この建物を、これまで福岡市民に親しまれてきた街への恩返しとして利用したい」との想いを受け、店舗併用住宅から「ビル内を大小細かく空間を分け、区画整理された小商いの施設」として、福岡の街に開かれた場所にすることとなった。
駅前に建ち、長年地域に親しまれてきた薬局の店舗併用集宅を、テナント施設「ひらお横丁」へコンバージョンした。
ランドマークの再構築にあたり「街との一体化」を重視した。外観は大きく変えず既存のファサードを尊重しつつ、街並みにあわせた外観デザインに表情を整え直した。夜には、建物を際立たせるダイナミックなイルミネーションが駅前の夜景に賑わいを与える。
内部をランダムに分割したのは、街並みの「雑多感」を意識してのこと。様々な区画をデザインし、建築内での区割りを行った。前面道路沿いには、2~4坪のスタンド用テナントを配置する等、施設と街が「ひとつの商店街」となるよう計画。 また入居希望者と面談し、薬局と親和性の高い「美・健康・文化」の視点を持つ店舗を選定した。スタートアップの小商いが挑戦しやすい施設となることを目指した。
セオリーに倣えば、高層ビルに建て替える道が選ばれただろう。しかしこのプロジェクトには、薬局店主の想いが込められている。50年前にこの地に移り住み、地域と歩んだからこそ、今後は同じ小規模店舗の新たな居場所となり、街に賑わいを生むこと。新築のビルでは叶えられない想いがそこにはあった。
都市開発における課題は、歴史、個性や多様性、コミュニティなど多岐にわたる。店主によるこの「インディーズ駅前再開発」は、「ひらお横丁」として答えとなり、駅前の注目のスポットとなっている。