今までの日本の家の照明はできるだけお部屋全体を均一に明るく照らすことが良いというのが一般的な考え方でした。しかし現在の暮らしでは、生活シーンにあった居心地の良い空間を求める人が増えてきています。ひとつの部屋でもちょっとした工夫でシーンに応じた使い分けができます。直接照明と間接照明を組み合わせて居心地の良い空間を作ってみませんか。
直接照明とは天井につけた照明器具から人や物に直接あてる光のこと。空間を均一的に照らすことから全体照明ともいわれます。間接照明とは天井や壁などにあてた光の反射で空間全体を柔らかく照らします。
直接照明は一般的なシーリングライトや直接床を照らす天井埋め込みのダウンライトなどで部屋全体を照らす照明です。昼間の太陽の光を再現している明かりで、人を活動的にさせる目的があります。学校やオフィスなどでは直接照明を設置していることがほとんどです。自宅でも勉強するときは作業をするときには直接照明を使用しましょう。
一方、本格的な間接照明はくつろげる雰囲気を大切にする飲食店などでよく見られます。直接照明に比べると、夕暮れ時の太陽の光のようなオレンジ色の間接照明は少し暗いと感じるかもしれません。しかし間接照明はリラックスさせる効果がありますので、昼の活動的な時間から寝るまでのくつろぎの時間を過ごすには最適の明かりです。
壁面や天井面を照らす間接照明は照明器具(光源)を見せないようにして反射した明かりを楽しむものです。このようなタイプの間接照明は設計段階からの計画と施工が必要になりますので、リノベーションをする際にぜひ取り入れたいですね。
くつろぎの雰囲気を演出する間接照明ですが工事をしなくても簡単に取り入れる方法もあります。電源コード式のフロアスタンドなどを使って室内のコーナーの壁面を照らすと部屋の角に明かりだまりができ、穏やかな明かりに包まれるような空間を演出できます。モノが多くある場所に光を向けるとうまく反射せずうるさい空間になってしまうこともありますので注意しましょう。またテレビの奥に設置したライトで天井面と壁面を照らすと映画を見るときなどに適した雰囲気のある空間にすることができます。
照明のちょっとしたアレンジで暮らしに変化をもたらしてくれます。ぜひ試してみてくださいね。
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