リノベーションを計画するのであれば、内装材にもこだわりたいですよね。同じ間取りでも壁や天井の色や仕上げ方で部屋の印象が大きくかわってきます。今回は自然素材の壁仕上げをご紹介しましょう。

「珪藻土」

珪藻土ってどんなものかご存知ですか？珪藻は藻類の一種で植物プランクトンです。その珪藻の死んだ殻が海や湖、川底などに沈殿し堆積して化石になった土を珪藻土といいます。無数の孔が空いていてとても軽く、吸水性、調湿性、耐火性に優れた性質を持っています。その性質を生かし最近では壁素材だけでなく、食品の湿気防止やコースターやバスマットなどの商品もたくさん販売されています。珪藻土に空いている無数の小さな孔が部屋の湿度状況によって湿気を吸ったり吐いたりしてくれます。調湿効果が高いためシックハウスなどのアレルギー症状を緩和したり、結露やカビを防止したりと様々な悩みに効果があります。孔の数は木炭の5000倍ほどもあるといわれています。

壁の仕上げとして使う場合、コテやハケの使い方によって仕上げのバリエーションが楽しめます。コテで塗った跡を自然な形で残す波仕上げは最も標準的で人気のある仕上げです。ただし施工する職人さんによってコテ波の付け方が変わってきますので施工当日に立ち会ってパターンを確認することをお勧めします。

また横にラインをつけるハケ引き仕上げは凛とした印象を与えてくれ変化がでる仕上げです。照明などの明かりで壁に陰影がでるので印象的にしたい壁面などに使用するといいでしょう。ほかにもスパニッシュ仕上げやスタッコ仕上げなど洋風な仕上げ方も可能です。最近は色々なカラーもでていますので部屋にあわせてかえることもできますね。

しかし、収納の内部などに使用すると壁紙などと異なり、コートやセーターなどの洋服がこすれて粉が袖にポロポロついてくる場合がありますので要注意です。

「漆喰」

漆喰はサンゴ礁が長い年月をかけて地殻変動などで隆起してできた石灰石鉱床からとれる石灰石という岩石が原材料です。珪藻土と同じように調湿性、耐火性に優れています。消臭性も高いためペットがいる家などにはお勧めです。また漆喰は空気中の二酸化炭素と反応して固まっていく性質があるため珪藻土のようにポロポロおちる心配がありません。昔からお城や土蔵などに用いられてきた艶やかでつるっとした白色はとても魅力的で、窓から差す陽の光があたると優しく輝きます。

どちらの仕上げもクロスや塗装と異なり、ほかに同じ壁はないオンリーワンの仕上げです。高い機能性と個性的な仕上げでぜひ自分らしい空間を作ってみてください。