リノベーションコラム

空家を活用するリノベーション

2019.12.02
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日本の空家の状況


「空家問題」。少しは耳にすることが増えたのではないか?少子高齢化や相続問題など原因は多岐に渡るが、リノベーションを検討される方は、中古市場にも影響する空家のことを知って欲しい。
空家の数については、5年に1度の国勢調査の際の調査でわかる。ちょうど今年平成31年4月26日に平成30年住宅・土地統計調査の概数が公表された。調査によると全国の空き家数はおよそ846万戸(前回調査では約820万戸)、全住宅に占める空き家の割合(空き家率)は13.55%(前回調査では約13.52%)となった。それぞれ平成25年の前回調査の数値を超え、過去最高を記録した。
ただ、空き家数は1,000万戸程度、空き家率は16%程度まで上昇するという民間予測値と比較すると空き家の増加は少なかったという結果となった。

空家とは


一口に空家といえど、実は空家には大別して4種類がある。
1.「賃貸用の住宅」の空家
2.「売却用の住宅」の空家
3.「二次的住宅」の空家
4.「その他住宅」の空家
である。

1.「賃貸用の住宅」の空家は、その名の通り、アパートやマンションなどの空家で、約431万戸あり、空家全体の半分はこの「賃貸用の住宅」ということになる。

2.「売却用の住宅」の空家は、売却とされている空家のことで、一般的に中古購入者の方が関連する数値で、約29万戸ある。

3.「二次的住宅」の空家は、約38万戸。こちらは別荘やセカンドハウスと言われる住宅の空家のことである。

4.「その他住宅」の空家は、約347万戸。こちらがいわゆる所有者不明や相続問題で権利関係が整理出来ていない空家である。

空家をリノベーションする


今回は、空家の種類の中でも「その他住宅」の空家、例えば、両親から実家の一戸建て住宅を譲り受けたものなどを想定してみる。このような場合、「どのように活用または処分したら良いのだろう...」、「誰に相談したら良いのだろう...」と悩んでいる方は少なくない。

誰も住んでいない空き家でも、固定資産税などの維持費は負担しなくてはならないし、売却や賃貸に出そうと思っても、築年数が経過した古い家に買い手がつくかどうか不安もあるかと思う。
すでにマイホームを所有していて、譲り受けた住宅はできるだけ早く売却または賃貸に出し、確実な収入を得たいといった理由から、空き家のリノベーションに踏み切るケースが見られる。この他にも、空き家となった一戸建て住宅を賃貸用のシェアハウスに変更するといったケースで、リノベーションが活用されている。

空家のリノベーションでは、建物の部分的な改修に止まらず、間取りや内装、設備を大幅に変更し、住まい全体の性能を向上させることもできる。築年数が経過して、老朽化が進んだ建物の耐久性や耐震性の強化、環境と家計に優しい省エネルギー住宅への変換も可能である。

リノベーションをすることで、空家が生まれ変われば、売却した際にも買い手がつきやすくなり、将来的な資産価値の維持にもつながっていくはずである。また、再び住まいとして活用すれば、長年慣れ親しんだ家に住み続けることもできる。

空家を放置し続けると、周辺の景観や治安を悪くするだけではなく、資産価値もどんどん低下していく。空家をリノベーションすることで、再び住まいとして活用できるようになれば、管理や税金の負担から解放されるなど、さまざまなメリットが生まれる。もし、処分に困った空き家を所有している場合は、ぜひリノベーションを検討してみてはいかがだろうか。

一般社団法人リノベーション協議会

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