リノベーションを住宅の選択肢の一つとされている方が増える中で、やはり気をつけたいのは専門的な部分の知識をどのように得て、リスクをどのように回避するかである。リノベーションの場合、横断的な情報が必要で、建築だけでも、不動産だけでも、金融だけでも、インテリアだけでもないため、各種専門家に力を借りることがリノベーションを成功させるひとつの要素ではないかと考える。このコラムでは、リノベーションに関わるプロたちをできる限り紹介したい。
リノベーションに関わる専門家は多種多様である。建築系から金融や不動産。ここではその中でも比較的馴染みがあり、かつ近年注目されている専門家を紹介したい。
国家資格。建築物の設計および工事監理を行う職業の資格。1級建築士、2級建築士、木造建築士の種別がある。 リノベーションにおいては、既存物件の法適合性を確認するなど、建築の法のエキスパートである。建築士=デザイナーではないことも合わせて知っておいて欲しい。
国家資格。宅地又は建物の売買、交換又は貸借の取引などの不動産取引法務の専門家である。 リノベーションにおいては、売買が伴う場合、不動産会社にお世話になる場合が多くあり、取引する物件の重要事項を売主買主双方に説明する義務を持っている。
資産設計の専門家。お金の専門家。顧客である個人から、収支・負債・家族構成・資産状況などのソース提供を受け、それを基に住居・教育・老後など将来のライフプランニングに即した資金計画やアドバイスを行う職業・職種。 リノベーションにおいては、資金計画やライフプランニングのアドバイザーとして、金融機関選びから相談するケースもあるとのこと。
インテリアと呼ばれる建物内部やファサードなどの外部の装飾や空間構成、家具や照明器具、照明計画など住空間の一部ないし全体の室内演出・デザインや建物全体の構成などを手掛ける職業。 リノベーションにおいては、内装材や色など、室内演出やデザインにおいてアドバイスをしてくれる貴重な存在である。
マンションの専有部分の改修工事において、居住者の要望を実現するために、専門知識をもって、管理組合や、施工者などと協力・調整しながら、居住者に付加価値の高い改修工事を企画・提供するための業務推進能力を有する資格。 リノベーションにおいては、比較的マンションをリノベーションする割合が多く、戸建住宅とはまた違ったルールがあるため、調整役としてアドバイスを受けるのも一つの手である。
国家資格。1級と2級があり、建築士が設計監理のスペシャリストであり、施工管理技士は施工管理のスペシャリストである。施工過程における施工計画、工程管理、品質管理、安全管理に重点を置く資格。 リノベーションは新築と違い、既存部分を残すことがケースバイケースでもあり、この施工管理技士の技術次第で品質が決まるくらい重要な専門家である。
住宅リフォームに関して充分な実務経験(10年以上)を持つ人で、管理財団の研修を受講し考査に合格した人のみが増改築相談員として認められる。リノベーションにおいては、豊富な実務経験があることは重要であるため、施工に関して増改築相談員に相談することも安心材料となる。
不動産の有効活用や投資等について、高い専門知識と豊富な経験に基づいたコンサルティングができる技能者。資格要件のハードルが高くまた、不動産から建築、金融まで幅広い専門知識も必要であり、近年注目されている資格である。リノベーションにおいては、空家の利活用や相続関連資産活用などの場面でのアドバイスを求める際に、不動産コンサルティングマスターに依頼することもひとつの手段である。
以上、様々リノベーションに関わる専門家を紹介したが、ケースバイケースでうまく利用していただきたい。
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