戸建、マンション問わず、注文住宅同様にこだわれるリノベーション。間取りはもちろんのこと、収納についても同じである。せっかく間取りやインテリアにもこだわるのであれば、収納も忘れずに。
まずは、収納が広い=使いやすいという訳ではない事を覚えていていただきたい。一言で「収納」と言っても、洋服をしまう「クローゼット」や、食料品などのストックを置く「パントリー」や、倉庫代わりに使われる「納戸」など、用途や目的によって呼び方も使い方も様々である。図面上ではゆとりがあるように見えたが、実際使ってみたところ奥行きが深すぎて使いにくかったり、高さが合わず置ける物が限られたりという事もある。
例えば、日用品や掃除用具を置く収納やあまり深い奥行きも必要なく、高さを変えられる可動性を重視した方がよく。食料品をストックするパントリーであれば取り出しやすく使いやすい方が良い。
今でこそ主流になってきている「見せる収納」。これまでの扉で隠すクローズ型の収納に比べ、湿気もこもらず圧迫感がなくてスッキリとした印象になるのが特徴的。小物や趣味の物もディスプレイが出来るオープン型の収納は、リビングやカフェ風のキッチンに採用されるケースが増えている。
とはいえ、オープンで開放的な収納が全て良しではない。埃などに弱く、常に整理・整頓が必要となり、常に目につく事ため置く物のセレクトなど気苦労も伴う。当然、日用品や食料品、掃除用具などは来客に見えない方が良く、部分的に隠す収納は当然必要となる。
もちろん、納戸のように大きい収納があれば、大概の物を一箇所にまとめて収められるが、居住スペースを圧迫することにも繋がるため、生活動線や用途に合わせて適切なサイズの収納を設ければ、より効率的に空間を使える。暮らし方や使い勝手は千差万別。担当デザイナーやコーディネーターに希望を伝え、ライフスタイルに合わせて「見せる」「隠す」「使いやすい」収納を設けていただきたい。
最後に、生活に必要なものを収容するスペースは当然必要だが、不要なものまでストックして置く必要もなく、そこに入りきらない分は置かないといった断捨離的な思考も持っておくと良いのでは。
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