リノベーションは、既存の建物の特性を活かし空間を再構築していくわけだが、希望の伝え方や伝わり方により提案側が誤認する場合もあり、また希望を伝えながらプランニングが進んで行くケースもあるので伝え方も含めてポイントをまとめていきたい。
まずは、大きなポイントとなるのが『コスト優先』なのか『こだわり優先』なのかである。言わずもがな『コスト』と『こだわり』は相反し、最終的な仕上がりにも影響が出てくる。注文住宅を依頼するような感覚となるので、基本的にゼロから設計・コーディネートを進めるようになる場合は、このバランスが非常に重要となる。理想を全て叶えようとすれば予算は膨らみ、予算を抑えるとなると理想を叶えられない。
どれだけ目新しい建材を使い、斬新なプランや仕上がりだったとしても、求めるイメージが合致しても予算が合わなければプランの再構築となり、そこに掛けた時間と労力も報われないものになり、お互い疲弊していくものである。
特に中古物件を買ってリノベーションをする場合は、これに引渡しまでのスピードも求められてくる。いかにバランス良く『コスト』と『こだわり』を意識したプランニングをお願いできるかと、スピーディに仕様をまとめてもらえるかが肝になる。
ここまでを読むと一見ハードルが高そうだが、実は、至ってシンプル。
やみくもにとりあえず設計側に自由にプランしてもらうのではなく、事前の設計側からのヒアリングでイメージ共有と情報共有に重点を置くことで、自ずと提案効率も上がり最短距離で目的到達に繋がっていく。
例えば、好みのテイストや仕上げはもちろんのこと、家族とのコミュニケーションの取り方、譲れる所・譲れない所、趣味や娯楽、収納の考え方まで千差万別である。さらにNGポイントをしっかりと伝えると、より一層に提案の精度も上がってくる。
コミュニケーションを深めることで、見極めるポイントも増え、信頼関係の醸成にもつながる。そこに設計者のセンスや想いがスパイスとして加われば、より良いプランニングを受けることができるであろう。共同作業で効率化を図ることもコスト削減に繋がる意識をお互い持つことが必要である。
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