断熱と聞くと、東北や北海道など寒冷地の住宅をイメージする人が多いと思うが、最近では寒冷地以外でも高断熱高気密の住宅、エコハウスが増えている。断熱の効果は暑い地域でもあるからだ。
たまに断熱をすると暑くなるのでは?という言葉を聞くが、断熱材は熱を発するものではない。断熱という字は、熱を断つと書く。外の熱を室内に伝えにくくしたり、室内の快適な温度で保たれた空気を逃さないようにするものだ。熱の行き来を遮断する素材となるので、低い温度の空気はもちろん、高い温度の空気の行き来も防ぐ。それゆえ暑い地域でも、断熱すると室内の環境は良くなるのである。
世界的に見ると、日本の住宅は遅れていると言われている。日本で販売されていた昔の窓の性能を見て「これは馬小屋にもつかえない」と言った海外の人がいるほどだ。それだけ建材の開発なども遅れていたのだが、東北や北海道などの寒冷地では寒さをしのがないと生きていけなかったため、建築技術の研究などが進み、壁内に断熱材が入っている建物が一般的となったのだろう。それゆえ断熱と聞くと寒冷地の住宅という印象があるのかもしれない。
寒暖差が激しい寒冷地よりも、温暖な地域の方が少しの断熱材で高い効果を実感できる。特に中古住宅を購入してリノベーションする場合、断熱材が入っていない住宅がほとんどなので、リノベーション時に断熱改修も同時に行うと良いだろう。寒冷地の住宅と同程度の高断熱高気密住宅の場合、圧倒的に快適な室内空間を保てる家になる。どれくらい快適かを知るには、完成見学会などに足を運んで体感してみるのが近道だ。
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