リノベーションコラム

省エネ性能重視でリノベーションする場合(断熱、気密編)

2018.12.14
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省エネ性能重視でリノベーションする場合、優先すべきは断熱・気密だ。断熱と気密を確保するのと同時に窓と玄関ドアを交換し、次に換気方法や暖冷房の計画。最後に省エネ家電や創エネを検討するのがエコハウスへの近道だ。ここでは断熱・気密工事について、どのような方法が一般的かをお伝えする。

断熱の基本


断熱の基本は、外気に接する面は全て断熱材で覆うことだ。1面のみ断熱改修するメリットは無いと言える。最近では家一軒をまるごと断熱改修するのではなく、1階部分だけ断熱改修したり、リビングや寝室、風呂、トイレなど暮らしでよく使う空間のみ断熱改修するケースもある。子供が巣立ち2階部分は使わなくなった家庭の場合、そのような手段(1階部分だけ断熱改修するなど)もある。

気密性の向上


断熱改修と同時に行うと良いのが気密性の向上を目的とした工事だ。断熱材の内側(室内側)を気密防湿シートや気密テープで隙間なく施工する必要があるので、室内側を壊さなければならない。

壁の断熱・気密工事


壁の断熱工事の方法は大きく分けて2通りある。室内側を解体して壁紙を変える、床材を変える等と同時に行う方法と、外壁側を解体して外壁を交換する工事と同時に行う方法だ。内装デザインを変えたい場合は前者、外壁を交換したい場合は後者と考えれば良いだろう。
ただし気密性を向上させたい場合は、室内側に気密シートなどを施工する必要があるので、室内側を解体する方法を選ぶのが基本だ。気密シートは、家全体をぐるっと覆ってこそ気密性が向上するので、壁の他、床や天井なども室内側から剥がす必要がある。

屋根・天井の断熱・気密工事


四角い家、凹凸のある家、三角屋根の家、いろんな形の家がある。三角屋根の家でも、室内側は天井が斜めになっている家もあれば、四角くなっている家もある。全て同じ施工方法でできるわけではなく、天井が斜めになっている家の場合、屋根材を剥がして外から断熱を施工する方法と、屋根材はそのままに室内側を解体して施工する方法がある。平らな天井の場合(四角い家や凹凸のある家の場合)、室内側の天井と屋根の間に空間があり、その空間に断熱材を乗せたり(ブローイングなど)、板状の断熱材を敷き込む方法が一般的だ。ただし気密性の向上は、室内側を解体しなければいけない点に注意しよう。

床の断熱・気密工事


床の断熱工事は、床材と基礎の間の空間に断熱材をプラスする床下断熱と、基礎の周りをぐるっと断熱材で覆う基礎断熱の2つの方法がある。どちらが良い悪いではなく、既存の建物の状態(工法など)によってベストな方法が変わる。例えば既存の建物がツーバイフォー(2×4)の場合、床下断熱の方がコストパフォーマンスが良い。床下にエアコンを設置する暖房方法にする場合は、基礎断熱が効果的だ。また、床材を貼り替えるかどうか(剥がすかどうか)でも作業の工程が変わるので、工事会社への事前の相談が必須となる。

マンションの場合


マンションは、外壁など躯体自体を変えることはできない。室内側に断熱材をプラスする方向で検討し、工事の際は管理会社や大家の許可が必要となる。


工事会社に依頼するときの注意点


全ての工事について言えるが、1つづつ工事をするより同時に行う方が工事費は抑えられる。省エネ性能等はどの程度を希望するのか、事前にしっかり検討した上で工事会社に依頼しよう。依頼するときに、新築時の設計図面や改修履歴のコピーを渡すと話がスムーズだ。また、工事内容によって、工事期間中は生活拠点をどこかに移さなければならない。工事期間中は自分達の暮らしはどうするべきかや、どれくらいの工事期間を要するかなども確認が必要となる。

一般社団法人リノベーション協議会

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