長屋はその築年数からさまざまな問題を抱えていることがあるため、所有者の中には改築を考えている方も多いのではないでしょうか。長屋のリノベーションとは何か、その費用や注意点についてまとめましたので、長屋のリノベーションを検討されている方はぜひ参考にしてください。
大阪や京都を中心とした関西圏で多く見られる長屋は、建てられてから年数が経っているものがほとんどです。
長屋に住んでいる場合は台所とリビングを繋げてLDKにする、狭かった浴室を広げるといったリノベーションができます。古い長屋だと天井が低いことが多いので、レイアウトや天井をリノベーションすることで、開放的な空間へ変化させることもできます。また、隣が空き家となった時に買い取って自分の住居と繋げて、住居の面積を拡大するといったリノベーションも可能です。他にも耐震強度や防火性を高めるリノベーションも同時に行うことで、住居の安全性を高めることも視野に入れてもよいかもしれません。
このように長屋ではリノベーションによって生活環境を改善するリノベーションが多く行われます。
築年数が数十年から100年程経っている長屋を隣と繋げて二戸を一戸にするリノベーションでは、1000万円程度かかるとされています。玄関を一つにしたり間取りを変えたりできますが、リノベーションの価格自体は一般的な一戸建てのリノベーション費用とさほど変わりません。また、耐震性や防火性を高めるリノベーションは500万円程度かかるとされています。
長屋自体が、地域によっては土地代と合わせても1000万円以内に収まることがあるほど値下がりしていることもあり、上手にリノベーションすることで新築の住宅を購入するよりも安く、広い家を手に入れることができるでしょう。
ただし、管理状態が悪いものだと大幅なリノベーションが必要になると2000万円に迫ることもあるので、事前の調査を怠らないようにしましょう。
長屋は隣の住居と繋がっている特殊な構造をしています。また戦前に建てられたものが多く、築80年、90年といった物件も珍しくありません。そのため、一戸建てのリノベーションとは異なる注意点があります。
長屋は数戸の住居を合わせて一軒の家として建てられているため、他世帯と共有している柱が必ずあります。天井の梁はもちろん、世帯と世帯の間の壁にも手を入れることができない柱が存在することが多いため、大幅な間取り変更ができない場合もあります。もし間取りにこだわりたい場合は、どこまで間取りが変更可能かを事前に業者に問い合わせておくと確実です。
長屋は古いものが多いため、耐震性や耐久性が不十分である可能性が高くなっています。壁の中の状態は専門家でも実際に見てみるまでわかりません。万が一工事が始まってから問題を抱えていることが判明した場合、外壁を金属サイディングのような壁材に変更して耐震性や断熱性を高めたり、傷んだ木の柱を新品に交換したりする工事が追加で必要になります。そのため、最初に作成した見積もりに加えて、新たな費用が発生する可能性があります。定期的にメンテナンスが行われている長屋であれば、こうしたトラブルと遭遇する確率は下げられますが絶対とは言えないので、注意が必要です。
長屋は壁一枚を隔てて住居が連なっているため、生活音などが筒抜けになってしまうと考えられます。近隣トラブルを防ぐためにも、隣接する住居と共有している壁の防音性は高めておくことをおすすめします。
戦前の生活と現代の生活の違いや耐久性、耐震性を考えると早急に長屋のリノベーションに取り組みたいところです。費用は一軒家のリノベーションとほぼ変わりませんので、その特殊な構造の割に費用がかからないと言えます。また隣の空き家と繋げることで、まるで一軒家のような広い空間を手に入れることができますし、一棟まるごと売りに出されていた場合は間取り全てを自由にリノベーションすることが可能です。
いずれの場合も建物の状態によって希望が通らない可能性がありますので、事前に専門家に見てもらい、希望の工事の可否を診断してもらうようにしましょう。
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