少し前までは、延床面積の広くなる二階建て住宅が定番と言っても過言ではありませんでした。しかし、少子高齢化が進んできている昨今、子どもやお年寄りにとって危険の少ないバリアフリーの平屋も注目を集めています。家族構成の変化が生んだ新しい傾向と言えるでしょう。そこで、ここでは平屋のリノベーションの費用や注意点についてまとめました。

平屋のリノベーションとはどんなもの？

平屋のリノベーションで需要が高いのは、高齢になった方のために段差をなくしたり手すりを設置したりするリノベーションです。場合によっては車いすで室内を移動することもあるため、こうしたバリアフリー化は大きなポイントとなります。

また、少子化で家族の人数が少なくなってきているため、部屋数の多さよりも住みやすさを優先する傾向があり、二階建てを平屋に減築する方もいます。階段をなくすことで、小さな子どもや高齢の家族がけがをするリスクを減らせますし、個室からリビングへ、リビングからトイレへなど、部屋間を移動しやすくなるという利点があります。

ケースによっては内装だけをリノベーションすることもありますが、柱や梁だけを残し、スケルトン状態にして耐震構造や断熱材を組み込む大掛かりなリノベーションを行うこともあります。

間取りの変更では、リビングを広めにとって部屋数を減らすというリノベーションが比較的人気です。

平屋のリノベーションにかかる費用

平屋のリノベーションにかかる費用はプランによっても異なりますし、どの会社に頼むかによっても大きく違ってきます。内装を修繕するのか、水回りまですべて変えてしまうのか、といった違いで数百万円の差が出てきます。以下は平屋のリノベーションにかかる費用の相場ですが、ケースバイケースですので、あくまでも目安としてご覧ください。

20坪　1000万円～1300万円
25坪　1150万円～1500万円
30坪　1300万円～1700万円
40坪　1500万円～2000万円
※内装、外装をはがしてスケルトンリフォームした木造軸組工法を前提としています。

その他、トイレのリフォームが50万円程度、バスルームのリフォームが50〜100万円程度、キッチンのリフォームで70〜150万円程度をかける方が多いようです。住環境をよくするために様々なポイントをリフォームすると、それだけ費用が膨れ上がってしまうため、必要な場所に絞って修繕することをおすすめします。

平屋のリノベーションに関する注意点

平屋のリノベーションでは注意が必要なポイントがいくつかあります。

全国展開しているような大手のリフォーム会社は、宣伝費用や人件費の分料金が上乗せされるため、地方工務店に頼んだ方が安く上がるケースも多々あります。ただし、「安かろう悪かろう」の業者も存在するので注意しましょう。地方工務店は規模が小さく社員が少ないため、会社ごとに、社長や社員のスキルに大きな違いが出ます。平屋のリノベーション実績のある工務店を複数調べて、同じ条件でそれぞれ見積もりを出してもらうようにしましょう。

また、築40年以上の平屋は、現在の耐震法に準じて建てられていないため、リノベーションの際、耐震構造への改築が必要となる場合があります。その分費用がかかってしまうため、築年数が経過している家の場合は覚えておいてください。他にも、二階建てを平屋に直すなど大規模なリフォームを行う際は、仮住まいが必要になります。比較的工期も長くなりますから、その間に住める場所を用意しておきましょう。

そして、窓を大きく多くできるのは平屋のリノベーションのよいところですが、窓から日光が入りやすかったり寒さを防ぐ力が壁に比べて弱かったりするので、暑さ・寒さが際立ってしまうこともあります。リノベーションするときに住宅の断熱性能についても業者とよく話し合っておきましょう。

まとめ

家族の人数の減少と高齢化に伴い、バリアフリーで移動しやすい平屋に人気が出てきています。平屋のリノベーションにかかる費用は工事の内容や依頼する業者によって大きく変わります。そのため、相見積もりを取るなどしてコストパフォーマンスも気にかけながら、リフォームを進めるようにしましょう。