リノベーションコラム

リノベーションを考えるなら知っておきたいアスベストについて

2018.09.13
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リノベーションでは古い住宅を改築することが多いですが、そのときに気をつけてほしいのが「アスベスト」です。以前、大きな社会問題にもなったこのアスベストについて、知っておきたいポイントをまとめました。リノベーションを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

アスベストとは?

アスベストは鉱物資源の一つで、漢字では石綿と書き、「いしわた」、「せきめん」と呼ばれることもあります。土の中から採れる鉱物資源ではありますが、名前の通り綿のように軽いのが特徴です。熱や摩擦に強いという性質を持っており、断熱や保温効果もあるので、建物を造るときによく用いられていました。アスベストを使用するときは、水やセメントと混ぜて吹き付けたり、もともとアスベストが含有されている石材を使ったりしていました。

特に、1960年代に建てられた家や施設などにアスベストが含まれていることが多く、外装や内装だけでなく、屋根や煙突などさまざまな場所に使用されてきました。しかし、その後アスベストには発ガン性があることがわかり、現在では使用が禁止されています。

アスベストで起こりうる健康被害

アスベストは、人の目では見ることができないほど小さく細い物質です。加工や破損でアスベストが飛び散る(=飛散する)と、空気中を漂います。その空気を私たちが吸ってしまうと、アスベストは肺の奥に入っていきます。一度肺の奥に入ると、その丈夫さから何十年も体にとどまって、ついには病気を引き起こすのです。具体的な病名としては、肺繊維症・肺がん・悪性中皮腫が挙げられます。それぞれ20年近くの潜伏期間があるため、時間が経ってから発症するという特徴があります。

肺線維症

肺が繊維化する病気のことをいいます。長い時間アスベストが肺に炎症を起こし、肺の組織が傷つけられ続けることで、肺の繊維化が生じるといわれています。

肺がん

アスベストによって発生した活性酸素によりDNAが損傷され、遺伝子異常が引き起こされます。その結果、細胞ががん化し、肺がんになると考えられています。

悪性中皮腫

アスベストを吸い込むことで、悪性の腫瘍ができてしまう病気です。

これらの病気は進行するまで自覚症状が出ないということもあり、対応が遅れてしまうおそれがあります。さらに、体内にアスベストがあるかどうか、検査(胸部X線写真)を行っても、よほど大量のアスベストを吸い込んでいないと写真に写らない可能性があり、発見が難しいといわれています。

アスベスト対策について

リノベーションにおけるアスベスト対策として、まずはいつ建てられた家であるかを確認しましょう。アスベストの使用が多かったのが1960年代、その後、危険性が認識され徐々に使用は減っていきますが、2004年までは正式に禁止されていたわけではないため、アスベストが使用されているおそれがあります。特に中古で買った家をリノベーションする場合は、家を建てるときにアスベストが使われていたかどうか確認してみましょう。元のオーナーや、家を購入する際に利用した販売店を経由して、その家を建てた建築業者に問い合わせを行ってみてください。

もし、アスベストが使用されていることがわかったら、リノベーションを行う前にアスベストを除去する必要があります。アスベスト除去に関しては、石綿障害予防規則という規則に従い、専門の業者に依頼しましょう。また、アスベストは空中に浮遊しているものを吸って、肺に入ると健康に害を及ぼします。間違っても、アスベストが使われているかを確認せずに、自分でリノベーションを行わないよう気をつけてください。解体してアスベストを飛散させたら、かなりの量が体内に入り、健康を害してしまうおそれがあります。

まとめ

リノベーションを考えるときに気をつけてほしいアスベストについてまとめました。アスベストは、不燃・断熱・防音などさまざまな効果がありますが、一方で健康に重大な影響を及ぼす発ガン性も確認されています。昔建てられた家はアスベストを使っている可能性があるため、リノベーション前に必ず確認するようにしましょう。

一般社団法人リノベーション協議会

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