リノベーションコラム

歴史的建造物をリノベーションする場合

2019.11.19
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日本には多くの歴史的建造物がある。
地域によっては建物1つだけではなく、建造物群を保護するために伝統的建造物群保存地区に選定されている場所もある。価値が特に高いところは重要伝統的建造物群保存地区として国で選定し保護されている。

どこからが歴史的建造物か?の定義は無いが、昔の文化や暮らしなど感じられる建物で、世界遺産、日本遺産などに認定されていない建物、保護するための活動対象となっていない建物も数多く存在する。

それらの建物を店舗として、カフェとして利用したい、営利目的で利用したいという声も多い。また、リノベーションして住みたいという人もいる。

江戸時代に建てられた民家、明治時代に建てられた倉庫、大正時代に建てられた料亭、寺院、教会、銀行など多種多様な建物が存在する。これらをリノベーションして利用したい場合、どのような注意が必要か?

●誰が持っているのか?

歴史的建造物は不動産会社があまり取り扱わないため、流通しているのは少ないと言えるだろう。都道府県・市町村が所有している場合もあるが、個人が所有している建物も多い。個人が所有している建物は、所有者に聞くしか無い。地域によっては、これらの建物を保護するために活動している団体(NPOなど)が相談にのってくれるところもある。

●リノベーション費用

例えば石蔵をカフェとして利用したいとする。
石蔵はそもそも物を保管する倉庫として存在していたので、水やガス、煙突が無いので灯油も使えない。トイレや厨房を設置するための下水道工事が必要となる。ガスや灯油を使うための工事、換気のための工事も必要だ。

また、昔の建物は断熱性能が低いため、暖房や冷房のエネルギーが大量に必要となる。つまり暖房代、冷房代が高いのである。内装側を断熱施工をしてしまうと、せっかくの石壁が隠れてしまうので、高額な暖房代、冷房代と付き合っていかなければならない。

これらの建物は、基礎が沈んでいたり、建物自体が傾いている場合もある。かし保険に入れないのが一般的で、耐震強度の低さや、構造上の難点など、昔の建物ならではの原因による補強工事費や維持費用がかさむことも覚悟しておいた方がいいだろう。木造の場合は火災に対する弱さもある。

地域によっては工事費用を補助してくれるところもあるが、少額な場合が多い。歴史的建造物のリノベーション費用は、かなり高額になることは間違いない。

まとめ


保護されていない歴史的価値の高い建物は人が住んでおらず、空き家となっている場合も多い。次世代に残すために、現代の暮らしや文化に合わせて利用して欲しいという声もある。歴史的建造物に対して想いがある人は、まずは役所や地域で保護活動をしている団体や、詳しい人に相談してみると良いだろう。

一般社団法人リノベーション協議会

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