効率的な間取りや広いキッチン、豊富な収納、眺めのいいテラスなど、家族や夫婦が理想とする夢の暮らしを実現してくれるリノベーション住宅。家づくりの要望やこだわりを設計士やプランナーに伝え、必要な工事項目や費用の内訳を記した見積書をしっかり確認したら、次は工事に進むための請負契約書を交わすステップです。口約束はトラブルのもと。工事の気になる点は、請負契約書で必ずチェックするようにしましょう。
家族構成、ライフスタイル、趣味・嗜好などをしっかりヒアリングして作成したプラン・見積書を確認し、工事内容に納得したら、契約内容を明確にした「請負契約書」を交わします。どんなに小規模な工事でも必要となる大事な書類で、工事に入る前にリノベーション事業者とリノベーション住宅を購入する注文者が書面に必要事項を記入します。
リノベーション事業者側が同じ内容の契約書を2部作成し、注文者が記名・押印します。契約書類にはこれから完成する住宅に関する重要事項が記されているため、すみずみまで目を通して納得しておくことが必要です。主にチェックすべき項目は以下の4つです。
打ち合わせ通りの日程、時間になっているかを見ます。工期が延びた場合の補償についても担当者に確認し、気になることがあれば特記事項として追加してもらうようにしましょう。
事前にチェックした最終見積書と同じ工事費用になっているか、金額を確認します。見積書にはなかった費用が発生していないか、しっかりチェックしておきましょう。
リノベーション住宅の工事となると、費用が高額になります。その場合、支払方法は2~3回の分割が一般的なので、事前に取り決めた分割の割合になっているかをチェックしましょう。特に前払いの額面が大きくなっていないかは要チェック。
最終見積書や仕様書、設計図、打ち合わせシートの他、契約にともなう取り決めを記載した「契約約款」が添付されています。
契約完了後は、リノベーション会社と注文者が各1部ずつ保管します。一緒に住むご家族も一緒に、内容に目を通しておきましょう。
いざ工事を始めるとなってから、「やっぱりあの仕様を変更したい」とか「このオプションも必要だから追加したい」となることもあるでしょう。そういった仕様変更や追加発注があった場合、対応可能かどうかを事業者へ確認しておくと安心です。契約約款に変更や追加にについてどう記載されているかも、合わせて確認しておくとよいでしょう。
実際に工事がスタートしてから、施工会社の現場スタッフに口頭で伝えるのはNG。追加工事は無料ではないため、契約書に記した工事費用より高い金額で請求されてトラブルになる......といったことが起こり得ます。そうした事態を避けるために、追加工事分や変更内容を記した見積書を新たに作成してもらい、工事変更の記録として書面に残しておきましょう。
住宅は年月が経てばどこかしらに不具合が生じてきてしまうものです。工事完了後、どの範囲まで修繕に対応してくれるかを記した保証書をリノベーション事業者からもらいましょう。一般的には部位ごとに保証期間が定められており、施工上の不具合(かし)については無償で修理してもらえたり、新品に交換してもらえたりします。
また、ユニットバス、システムキッチン、家電、住宅設備といった類のものは、各メーカーが保証を付けています。設備などの故障や不具合についてはメーカーへ直接問い合わせましょう。
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リノベーションの契約書や契約約款は複雑で細かい内容がとても多いため、最後まで目を通すのが億劫になる方も多いかと思います。しかし、金銭的なトラブルなどに巻き込まれないためにも、事前に契約書に記された取り決めや条件をしっかり頭に入れて、疑問や納得できないような点があったら担当者に確認を取り、解決させてから契約を進めるようにしましょう。
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